源さんは、とある小さな村に住む普通の少年だった。彼は父親と二人暮らしで、母親は彼が生まれる前に亡くなっていた。父親は村の鍛冶屋で働いており、源さんもその手伝いをしていた。彼は鉄を打ったり、刃を研いだりするのが好きで、いつか自分の名刀を作りたいと夢見ていた。
ある日、村に珍しい客がやってきた。それは、天皇の使者と名乗る男で、村の長老に用があると言った。源さんは興味を持って、その男の後をつけていった。長老の家に着くと、男は長老に一枚の紙を渡した。それは、天皇からの勅命であった。内容は、村の若者の中から一人を選んで、都に送り出すようにというものだった。都では、天皇の命により、妖怪退治のための特別な訓練を受けることになるという。
長老は、この勅命に従わなければ、村に災いが降りかかるかもしれないと考えた。しかし、村の若者たちは、都に行くことを恐れて、誰も志願しなかった。そこで、長老は、くじ引きで一人を決めることにした。くじ引きの結果、選ばれたのは、源さんだった。
源さんは、驚きと不安と期待とで胸がいっぱいになった。彼は、父親に別れを告げて、天皇の使者とともに、都へと旅立った。都に着くと、彼は、他の村から選ばれた若者たちと一緒に、妖怪退治の訓練所に入った。そこでは、剣術や弓術や魔法など、さまざまな技を教えられた。源さんは、特に剣術に秀でており、師匠からも高く評価された。彼は、自分の名刀を作るために、鍛冶場で毎日練習に励んだ。
やがて、訓練が終わり、卒業式が行われた。卒業生たちは、天皇からそれぞれ一本の剣を授かった。源さんは、自分の剣を見て、感動した。それは、彼が作った名刀だったのだ。師匠が、彼の剣を天皇に献上したのだという。天皇は、彼の剣に感嘆し、彼に「源」という名を与えた。そして、彼を妖怪退治の隊長に任命した。
源さんは、妖怪退治の隊長として、仲間たちとともに、都の平和を守るために、妖怪と戦った。彼は、数々の難敵を倒し、名声を高めた。彼は、妖怪の王との最終決戦で、自分の剣を振るって、勝利を収めた。そのとき、彼は、自分の剣に秘められた力に気づいた。それは、母親の魂が宿っていたのだ。母親は、彼が生まれる前に、妖怪に殺されたのではなく、妖怪と戦っていたのだった。彼は、母親の声を聞いて、涙した。母親は、彼に「ありがとう」と言って、消えた。
源さんは、妖怪退治の任務を終えて、村に帰った。彼は、父親と再会し、喜び合った。彼は、村の鍛冶屋として、平穏な暮らしを送った。彼は、自分の剣を大切にし、子孫に伝えていった。彼の剣は、後に「源の剣」と呼ばれ、伝説となった。